千歳型航空母艦「千歳」「千代田」

摘要

日本海軍で初めて、既存艦船からの改造でない新造の水上機母艦として建造され、太平洋戦争後半に空母へ改造されたのが千歳型の「チ歳」と「千代田」である。年(1934年)の㈡計画で建造された千歳型は、軍縮条約の制限を受けない低速軽武装の水上機母艦として計画されたが、戦時には機関を増設して「甲標的」12隻を搭載する特殊潜航艇母艦兼高速給油艦として運用するという、複雑な構想に基づいて設計されていた。さらに計画当初には天蓋状の機銃台を2基設け、戦時にはこれを結合して艦上機の帰着甲板とする構想まであったが、友鶴事件による復原性回復措置のため機銃台は1基に減じられている。