魔法の靴とるか：ヨコハマ DNA テシべル ユーロ ZPS E550R (YOKOHAMA DNA dB EURO ZPS E550R)

摘要

「はい、どうぞ」と言って電動ドリルを渡されたタイア試乗会は、これが初めてである。 タイアにブスリと穴を開けてくださいというのだ。 貫通してホイールまで傷つけないように、などとおっかなびっくりでは穴は開かない。 3回目に意を決してドリルを強く押し当てたところ、ようやくプシューと空気が噴出した。 この状態で目の前の仮設コースを走るのだ。 ランフラット·タイアの試乗会として、これほど煽動的なものはそうあるまい。サイドウォール裏面に補強材を貼り付けた「サイド補強型」がランフラットタイアの主流となっている理由は、よく知られるように空気圧警報装置を付加すれば通常のホイールに装着できる点が買われているからだ。 しかしその構造上、低偏平率·幅広タイアしか製造できないことが悩みの種である。 より高い偏平率あるいは耐荷重タイアとするには、内部にサポートリングをもつ「中子型」を選らばざるを得ないのだが、こちらはこちらで専用ホイールを必要とすることが普及への足枷になっている。 こうした諸事情があるにせよ、ランフラットタイアは近年目覚しい勢いで一般化しており、すでにミニを含めたBMWモデルの7割に装着され、アウディA6やA8でもミシュランのPAXシステム（中子型）を採用していることは周知のところだろう。今回、横浜ゴムが初めて国内販売するランフラットタイア「DNAデシベルユーロZPSE550R」はサイド補強型であり、サイズは245/40R18 93Wの1種、それを装着したBMW530iに件の状態で試乗することになったのだ。