近赤外ハイパースペクトラル画像のディープラーニング認識: 樹種判別への応用

摘要

木材の樹種判別は、木材の特性を確認し、また歴史的に価値のある木製の工芸品を評価するために非常に重要である。通常、樹種判別は木材解剖学に関する深い知識を持った専門家による、木材組織の顕微鏡観察によって達成されている。しかし、この手法では試料から切片を作成する必要がある上に、熟練を要するという問題点がある。木材樹種の識別を容易にするためにDNAバーコーディングやケモタキソノミーによる分類などの手法が提案されているが、これらも概して破壊的でかつ専門家の熟練を要する。一方、木材の非破壊材質評価手法として近赤外（NIR: near infrared）分光法を適用する研究が活発に行われてきた。近赤外分光法は、波長領域800～2.500nmの電磁波を用いた分光法で、医療·薬剤·化学·農業·食品の分野で導入·利用されてきた。