近赤外ハイパースペクトラルイメージングによるラット外傷性脳損傷の評価

摘要

分光測定とイメージングを組み合わせたハイパースペクトラルイメージングは，膨大なスペクトル情報を一度に取得できることから，組織の標識のための薬剤投与なしに病理診断を実現しうる．ハイパースペクトラルイメージングは非侵襲的で術中MRI やCT のように大掛かりな装置を必要とせず，またリアルタイム性に優れている．近赤外領域，特に脂質やタンパク質などの生体情報を豊富に含むと考えられる900～1700nm 帯域の情報が取得可能なハイパースペクトラルイメージング装置は，外傷性脳損傷による運動や言語などの後遺症に関連しうる神経線維および，障害に関連する脳内タンパク質の同定に有用な多岐にわたる生体情報を取得できると考えられる．