災害時の事業継続性を考慮したコージェネレーション機器導入計画最適化手法の提案

摘要

2011年に発生した東日本大震災以降，災害時の事業継続計画（BCP：Business Continuity Planning）は益々重要視されるようになってきたが，現状では，BCP強化のための機器導入計画を立案する際に必須となる，停電やガス供給途絶といった災害リスクを考慮した機器導入指針は確立されていない．そこで，これまでに著者らは災害リスクを考慮した上でコージェネレーションシステム（CGS）を導入すべきかどうか判断するための意思決定支援ツールを提案した．このツールでは，需要家は，事業所に関するデータを用意し，災害による事業停止損失の許容額を決めさえすれば，機器導入による利益，維持費などをもとに機器導入判断が可能である．しかしながら，このツールは分散型電源の容量が予め決まっている場合に利用できるものであり，導入容量の最適化までは決定できるに至っていなかった．そこで，本研究では，先に提案した災害リスクを評価指標に取り入れたツールをさらに改良し，建物用途毎にCGS 機器導入計画の最適化ツールを構築する．その上で，ホテルおよび病院を対象建物としてケーススタディを行い，提案した機器導入計画最適化シミュレーションを活用した補助金額の算定方法について検討する．