ICカード乗車券「PASMO」供用10周年と他カードとの相互利用の歩み

摘要

2017年3月、PASMOは2007年3月18日にSuicaとの相互利用を開始してから10年を迎えた。PASMOが導入のための検討を開始してから、サービスインまでには約5年の歳月を要したが、本稿では、PASMO10年の歩みについてさまざまな話題やエピソードを中心に紹介する。2000年10月14日（鉄道記念日）、当時としては日本最大規模の鉄道共通乗車カードシステム「パスネット」がスタートした。システム的には先行していた東日本旅客鉄道㈱（以下、JR東日本）の「イオカード」や関西地区の交通事業者の「スルッとKANSAI」と同様ではあるが、複雑にネットワーク化され、相互直通運転やノーラッチ乗換の多い首都圏において、4社線までの運賃を自動的に計算できる画期的なシステムであった。