GPS式列車接近警報装置の異常検知に関する機能の強化および追加機能について

摘要

鉄道線路上で作業や検査を行う場合、列車の接近を目視で確認する列車見張員を配置し、列車の接近に伴い作業責任者等に伝達して作業員を線路外に待避させることで安全を確保している。このように列車の接近を伝達するには人間の注意力に頼らざるを得ない現状にある。そこで、列車見張員の業務をバックアップするために、「列車の接近を検知」し「列車の接近情報を通知」するGPS 携帯電話を活用した列車接近警報装置（以下「GPS 式列近」という）の導入を行った。現在では、2007年度から奈良線をはじめ伯備線、宇野線、山陰線等の約1，300kmに導入している「従来型」および、2014年度からおおむね5分に1本以上の列車が走行する大阪環状線、JR京都·神戸線等の約1，000kmに「高密度型」の導入を行っている。今回、さらなる触車事故防止の保安度の向上を目的に開発した、GPS式列近高密度型（以下「本装置」という）における異常時の検知機能強化、および列車見張員に対して追加した機能の概要について紹介する。