血管仮想操作における頭部位置を考慮した視点変更のもたらす操作性への影響の基礎的検討

摘要

我々は，脳血管疾患診断支援として，これまでにヘッドマウントディスプレイを用いて，観察者の頭部位置を考慮することにより，あたかも目の前に血管があるかのように血管を観察でき，血管の重なりによる死角をなくすために血管を仮想的に操作できるシステムの開発を行ってきた．しかしながら，本システムでは，視点変更による操作性への影響は十分に検討されていない．本研究では実際に20代男女8人の被験者を対象に，本システムを用いた簡単な作業に要する時間を計測することにより頭部位置推定を用いた視点変更が操作性にもたらす影響をマウスを用いた視点変更と比較することにより考察する．その結果，有意に差が見られず影響ないことが示唆された．