自動車ネットワークにおける位置プライバシ保護のための車両密度を考慮した仮名変更方式の検討

摘要

高度交通システム（ITS)において，車車間通信や路車間通信などを利用したアプリケーションでは通信に位置情報を含むものがある.攻撃者に位置情報を含む通信を盗聴された場合,車両の行動を追跡することにより車両の位置プライバシが侵害される危険性がある.位置プライバシ保護のための手法として仮名があり，車両の固有識別子の代わりに時間経過により変化する仮名を通信に用いることで車両の追跡を困難にする.しかし，単純な仮名変更では攻擊者に変更前の仮名と変更後の仮名を紐づけられる危険性がある.本研究では，自動車ネットワークにおける位置プライバシ保護のための車両密度を考慮した仮名変更方式を提案する.提案方式では，特定の領域内で複数台の車両が同期して仮名を変更することでプライバシ保護を行う.また，提案方式のプライバシに関するシミュレーション評価を行った.