位置情報の符号化によるタギングMRIにおけるタグ追跡精度の改善

摘要

心壁の運動などを追跡する際，MRIでは磁化の空間分布を用いるタギングMRIが利用される．タギングMRIでは，画像処理により磁化パターンを追跡するが，磁化パターンは時間の経過とともにコントラストが低下するので，複数画像の加算により追跡精度を改善することが多い．本手法では，タギングMRIにおける複数画像の撮影において，各画素の輝度値がその位置に応じた特定の符号系列を持つようにタグを設計する．これらの画像を用いることで，全ての画素は，対応する符号を検出する処理により位置の特定が可能となり，時系列方向に同一符号を持つ画素を追跡することにより，撮像対象の動きを追跡することが可能となる．また，擬似雑音系列などの耐雑音性能の高い符号系列を用いることで，単純加算よりノイズに頑健な運動追跡が可能となる．