触覚受容器分布を考慮した2軸振動刺激による触覚提示装置の開発

摘要

視覚·聴覚に次ぐ感覚として触覚の利用が注目されている。 人間の知覚動作の大半は視覚によるものだが、表面テクスチャの認職能力において触覚に替わるものがなく、テクスチャ表現の為には何らかの手法を駆使して触覚機能を利用する事が必要と考えられる。 その為、触覚を再現する手段として、皮膚表面の受容器細胞を刺激する事で擬似的な触覚の再現を行う。 受容器細胞の刺激において現在様々な方位が現在考奏されており、代表的なものとして電気刺激を用いる方法と、機械刺激を行うものがある。 このうち機械刺激では具体的な方法として指腹部面に対し垂直方向と水平方向へそれぞれ振動刺激を行う事で皮膚表面の感覚受容器を選択的に刺激する手法が提案されている。 しかしながら、任意の質感を表現するための水平·垂直方向の振動刺激パラメータは不明瞭な点が多い。 そこで本研究では振動方向をそれぞれ独立して制御できるデバイスを製作し、触覚捏示時、被験者が感じる質感を調べた。