単眼カメラを用いた瞳孔中心と虹彩輪郭に基づく眼球回転中心位置の推定

摘要

単眼カメラを用いて眼球回転に伴う見かけ上の虹彩径の変化と瞳孔中心から眼球回転中心を推定する方法を提案する．これにより，視線推定の際に眼球形状に関するユーザパラメータや較正用視標間の角度のような環境パラメータの設定が不要となる．推定した眼球回転中心位置に基づき瞳孔中心位置を決定し，これら2つの位置から視線ベクトルを計算したところ，視線ベクトルの回転角度は実際の角度に比べて過小評価される傾向があった．次に，視線ベクトルと視標間距離を用いて視覚対象となるスクリーン平面を推定し，視線と平面の交点として注視点位置を推定したところ，水平および垂直方向の平均誤差はそれぞれ1.2deg，1.0degであった．