色覚特性による色の誘目性の違いを考慮したデザイン手法の検討

摘要

Webサイトやソフトウェアの画面デザインにおいて，ボタン等の重要なパーツにはユーザの視線や行動を誘導するために赤や黄色など目立つ色が用いられる．しかし，異なる色覚特性においては色の見え方が異なるため，目立つ色も異なることが考えられる．本研究では，一般色覚者とD型（2型）色覚者で色の目立ちやすさの順序を求める実験を行い，その結果を比較した．また，一般色覚者がD型色覚のシミュレーションを用いた場合との比較も行った．結果，色の目立ちやすさの順序には異なる色覚特性間で類似した傾向があり，色の彩度の大小の影響が大きいことが分かった．また，色覚シミュレーション上での評価と実際のD型色覚者の結果は異なるものであった．実験の結果から，異なる色覚特性においても目立っ色を保持するためのデザイン手法について検討する．