磁歪技術を用いた曲管の非破壊応力診断＜地盤沈下によって曲管に発生した応力を磁気異方性センサで診断＞

摘要

地盤沈下によってパイプラインに発生した応力は、沈下の進行とともに増加し、沈下が停止してもそれまでに発生した応力が解消することは無い。 そのような状態で何らかの外的要因による荷重が加わると、パイプラインが危険な状態に到る確率は大きくなる。 したがって、輸送パイプラインのような重要パイプラインに対しては、沈下によって発生した応力を適切なタイミングで把握し、応力解放などの措置を施し、常に安全な状態に保持する必要がある。 このためには、パイプラインに発生した沈下による応力の最大値とその発生箇所、変形の方向などの情報が必要となる。パイプラインには種々の目的で曲管が多用されている。 そして過去の経験から最大応力は、ほとhどの場合において曲管部に発生している。 本稿では、磁気異方性センサを用いた曲管の非破壊応力診断技術（以下当該測定器を「磁歪計」、手法を「磁歪法」と略す）について概説する。