ポーラスコンクリートの普及に向けて--熱環境を改善するポーラスコンクリート技術の紹介

摘要

ヒートアイランド現象が起きる原因の一つとして，地表面を覆っていた緑被の減少が挙げられている。これは，植物で覆われた自然の地表面が道路，建築物，敷地内の舗装面など，人工の地表面とされたことが要因とされており，コンクリートも対象の一つと考えられている。日射を受けるコンクリート表面に起こる熱収支の概念図を図－1に示す。　顕熱流量が大きい場合にヒートアイランドの原因となり，地中伝導熱流量により蓄熱すると夜間に熱を放出するため熱帯夜の原因となる。気化熱や融解熱などの潜熱流量は，物質が状態を変えるために費やされる熱流量であり，水の蒸発熱は気温の上昇を伴わない。よって，潜熱流量に比べて顕熱流量が小さいほどヒートアイランド低減効果が高くなる。