従動クロス圧延により拡幅された工業用純アルミニウム板材の集合組織制御

摘要

従動クロス圧延を工業用純アルミニウム板に適用し，圧延材の機械的性質や集合組織を調査し，以下の知見を得た。 （1）従動クロス圧延材は供試材の集合組織を長手方向周りに回転させた方位成分を持ち，またテーパ角度および圧下率が大きいほど，幅方向に対して非対称な集合組織になる。 一方，高圧下率の横方向圧延材は，ND軸周りに90 deg回転させた長手方向と幅方向に対称な集合組織となる。 （2）従動クロス圧延焼なまし板の集合組織は（100）〈001〉Cube方位と（123）〈634〉R方位を成分として持ち，これらの方位が優勢となる。戸値は圧延方法およびその条件にあまり依存しないが，面内異方性△は，圧延条件および焼なまし条件を最適化することによって低減できる。