ナノファイバー膜－エレクトロスピニングによる膜の作製とその応用

摘要

エレクトロスピニング（Electrospinning，電界紡糸または静電紡糸）は溶液或いは溶融状態にある高分子から直径数ナノメートル～数十マイクロメートルの繊維を連続的に作製できる紡糸技術である．この方法は数千～数万ボルトという高い電圧を利用した成形加工技術であり，Fig．1に示す構成の装置を用いて基板（対電極）上にワンステップで極細繊維を集積させ不織布状のシート（膜）を作製することができる．エレクトロスピニングによって作製される“ナノファイバー膜”は，その比表面積の大きさから高性能フィルター，吸着材，触媒担体，電極，センサー，再生医療用細胞培養足場，薬物徐放，多機能防護服，コンポジットなどへの応用が期待されている．