可変ノズル式過給機ラジアルタービン翼振動に問する技術動向（第2報：最近5年間の進歩）

摘要

自動車用過給機（ターボチャージャ、通称「ターボ」）は21世紀に入ってディーゼルエンジン（D／E）の排ガス規制、ガソリンエンジン（G/E）の燃費改善＝ダウンサイジングによって大きく成長している。とりわけD/Eには排ガス中のPM、NO_x削減のため可変ノズル（VG）ターボが普及した。それに伴って2000年直後にはノズル励振によるタービン翼単振動破損トラブルが少なからず発生したが、関係者の努力によって空力、構造強度の両面から設計改良され解決に至った。それを契機にラジアルタービンにおいても本格的に翼振動におけるディスク達成振動やミスチューン振動の解析·実験が進hだ。その技術動向は本誌2009年2月号に概説したが、その後も解析や計測技術の向上により大いに進展している。ここでは続報として最近5年間に可変ノズル式過給機ラジアルタービン翼について世界各方面から発表された論文に基づき、ミスチューン翼振動を中心に主要な技術進歩をターボ設計者の立場から紹介する。