デジタル画像による街路景観色彩の特徴分析

摘要

景観とは客観的な「眺め」である。「眺め」が遠近法に依存していることを無視して、景観の色彩の特徴を記述することはできない。本稿では、街路景観の色彩を調べる方法と、その色彩の特徴を把握する方法を明らかにした。デジタルカメラで景観を撮影した画像を分析することで、景観の色彩を把握することができる。その際、高い精度で色空間変換を行う必要がある。本稿では、カメラに依存したRGB色空間をCIELAB色空間に変換した。その際の残差は3.1であった。色彩分布の特徴はクラスター分析と主成分分析で明らかにすることができる。歴史的町並みを有する犬山本町通では、街路景観色彩の特徴は明度の分布範囲が広いことと、色度のばらつきが小さいことである。典型的な都市郊外街路である福山春日通の特徴は、中灰色の中に鮮やかな色彩が点在していることである。