新材料を求めて--2次元物質創製に挑む

摘要

グラフェンや酸化物超伝導体のように2次元構造または2次元形状をした物質には応用上も有用な物質が少なくない。また，カーボンナノチューブに代表されるナノチューブ状物質もその起源は基本構造の2次元性に由来する。筆者は，大学院時代を含む20代で高分子の高圧物性に関する研究に従事後，1975年に当時の科学技術庁無機材質研究所に入所し，途中1990年に宮崎大学に移り昨年3月に定年で研究現場を離れるまで，新規2次元物質の合成を中心に研究に取り組hだ。本稿では，白金ナノチューブや白金ナノホールの創製など，この間に挑hだ物質合成の研究について失敗経験も含めて紹介する。