労研社会科学の軌跡から見えてくるもの（下）

摘要

前回からご紹介している労研社会科字の第 一人者である藤本武先生（以下，敬称略）です が，多くの食糧消費構造に間する研究論文が 存在します。前回紹介した戦前期の研究もそ うですが，その研究は生活費研究へと集大成 し，労研研究の代表作『最低生活費の研究』 (1952年）や『日本の生活水準』（1960年）へ と結実します。当時の厚生省社会局の委託に よるものですが，現在も相変わらず大きな社 会問題であるワーキングプアや子どもの貧困 に対し，労研社会科学は戦後直後からアプロ —チし続けてきました。これら著書は学術図 書館に行けば閲覧できますが，労研ア一カイ ブはその関連する論文をどこでも閲覧できる優れものといえます。