セラミックス／金属接合体の引張強度に及ぼす界面端形状の影響

摘要

セラミックスは耐熱性，耐食性，耐磨耗性，高温強度に優れているが，脆性材料である。 機械構造部材にセラミックスを用いるためには，金属と接合してセラミックス／金属接合体として活用することが有効である。セラミックス／金属接合体が固相拡散接合や活性金属ろう付法などによって製作される場合には，高温で接合した彼の冷却過程で両材料の熱膨張係数や弾性係数の相違により接合界面端セラミックス側で引張残留応力が生じる。この残留応力は接合体の強度低下の支配要因となる。 さらに，この応力だけでセラミックス側界面端から破壊する場合もあり，残留応力は異材接合体の強度や信頼性に影響を及ぼす。 セラミックス／金属接合体を含む異材接合の信頼性に関する研究では，接合界面の結合力を充分に確保した上で界面端の残留応力低減に関する構造の最適化や力学的挙動の評価·予測に関する解析的·実験的研究が行われている。 しかしながら，接合体の強度の予測は接合界面の存在や応力に特異性を有するなどの理由により困難となり，界面端残留応力を低減することは容易ではない。