圧電·超音波モータ／アクチュエータの変遷①：山形大（工）／東北工大／室蘭工大·グループ周辺での20年

摘要

圧電振動を利用した超音波モータ／アクチュエータの研究を私共が開始して既に20年が経つ。その間、沢山の失敗はあったが、幾つかは成功し、実用され、世の中に貢献できた。本文はこれに至る経過や失敗の成果を残念さと反省をこめて物語風にまとめ、更に次世代への挑戦等を述べるものである。本文で述べる内容の研究は日本での超音波モータ研究の先駆けとなった指田年生氏（㈱新生工業）や次いでの熊田明生民（日立マクセル㈱）に刺激されてのことである。いずれも企業人の動きが先駆けであり、その後に東工大·上羽貞行教授（現名誉教授）研究室や山形大·富川グループの大学人がそれに続いたのが、日本での経緯である。更に沢山の企業や大学の研究者が参画し、メカニカルな摩擦力の介在する電子部品に不安を感じつつも新しい原理の回転·モータや直線·モータに夢をかけた次第であった。その結果として多くの成果が生れた。従って、これらの全体の動きや成果は彪大であり、それを述べることは容易ではない。色々な成書があるので、具体的な成果についてはそれらを参照いただきたい。