部分計測によるトラス構造物の静的形状制御－アクチュエータとセンサの最適配置と未計測点変位推定法

摘要

近年、宇宙空間での利用を目的とした構造物の研究がなされているが、その構造規模はますます大きくなることが予想される。 例えば、ISSの建造が進められているほか、NASDAやNASAにおいては大型太陽発電衛星の研究も行われている。 また、NASDAの技術試験衛星ETS-VIIIのアンテナ部にもみられるように、それら構造物には輸送時の重量制限等の面から、トラス構造を選択することが多い。 そのため、大型宇宙アンテナ等の宇宙トラス構造物は柔軟軽量構造となり、様々な外力や環境のもとで静的および動的な変形が生じやすくなる。しかし、宇宙空間ではこれらの変形を直接人の手で修正することは困難であり、アクチュエータ·センサを用いた高精度な形状制御が必要となる。 一方で、大型の宇宙構造物は部材数が膨大となるため、配置されるアクチュエータ·センサの個数が制限される。 そこで、制御性能に大きな影響を与えるアクチュエータ·センサの配置箇所を最適化するとともに、未計測点の形状を計測点の情報から推定する必要がある。