生体組織の非線形弾性パラメータの抽出－臨床における新たな組織性状診断のための定量的イメージング法

摘要

現在の超音波診断では、体表から超音波を生体内に照射し、音響インピーダンスが異なる境界での反射波を輝度変調して構成された断層像（Bモード像）が最も頻繁に用いられている。 Bモード像は生体内の形態的構造を捉えて診断を行うためのものであるが、形態情報に加えて、病変部の早期検出やその進展度、及び鑑別診断等に有益な情報として組織性状が注目されている。 これは、癌腫瘍等の性状変化が、音速·減衰·弾性などの特徴量の変化に直接関係していることに着目したものであり、これら特徴量を用いた定量診断が多く試みられている。