ハンドウイルカ(Tursiops truncatus)の長期リアルタイム生態音響観測－生物ソナーの解明と工学的応用に向けたアプローチ

摘要

飼育環境下にあるイルカ類を長期間音響観測し、生物ソナーのメカニズムを解明するとともに水中行動を理解し、得られた知見や開発した観測手法を自然環境下にあるイルカ類の観測活動に応用していくことを目的として、著者らは、伊豆·三津シーパラダイス、同志社大学、KDDI研究所との共同研究により、伊豆三津シーパラダイスで飼育しているバンドウイルカ(Tursiops truncatus)を対象とした長期リアルタイム生態音響モニタリングシステムを構築、2008年6月22日より観測活動を開始した。このような長期にわたる音響モニタリングは例がなく、日周、月毎、季節毎のイルカの行動パターンとさまざまな外的·内的要因（性別、年齢、体調、周囲の仲間との関係等）の影響との関連などについて、クリック音の変化との関係を探ることが期待される。