レーザー誘起蛍光法による大気圧パルスコロナ放電の準安定準位N{sub}2(A{sup}3 (∑{sub}u){sup}+)計測

摘要

工場や自動車から排出される一酸化窒素等、環境汚染物質の処理に非熱平衡プラズマの利用が注目されている。非熱平衡プラズマは非常に高いエネルギー効率で反応性の高いラジカル種を生成できるという特徴を持つ。しかし、大気圧非熱平衡プラズマ中のラジカル生成機構は解明されていない点も多い。この機構を解明し、ターゲットとするラジカルを効率よく生成できれば、有害物質処理等のエネルギー効率向上につながる。数あるラジカル種のなかでも、準安定準位であるN{sub}2(A{sup}3 (∑{sub}u){sup}+)ラジカルは、自然放出寿命が2秒と長く、6.2eVという高いエネルギーを長時間保持できるため、プラズマ中の反応において重要な役割を果たしていると考えられている。しかし、N{sub}2(A{sup}3 (∑{sub}u){sup}+)ラジカルの計測は世界でも成功例が少なく、大気圧パルスコロナ放電中での計測は本研究室が世界初となる。本研究では、今後さらなる利用が予測される大気圧非熱平衡プラズマを解明すべく、プラズマ中のN{sub}2(A{sup}3 (∑{sub}u){sup}+)ラジカルに注目し挙動観測を行う。