室内環境と化学物質

摘要

我々が生活する居住環境内を見渡すと、天井、壁、床、タンス、本棚、食器棚、ソファー、絨毯、テレビ、ファックス、パソコン、衣類、化粧品、台所用品、防虫剤等、あらゆる製品に化学物質が使用され、その数は5000万種に及ぶとも言われている。現代社会は化学物質の時代とも言われる所以であり、我々が生活する葉で大きな利便性（生活水準の向上）をもたらしている。我が国は昭和30年代に高度経済成長期に突入し、重厚長大産業の進展と相まって世界に類のない経済発展を遂げた。したがって、昭和30年代は豊かな社会の一員に入り掛けた時伐でもあった。その反面、昭和30年代中期以降になると、特に子供を中心にしたアレルギー性疾患（微生物及び化学物質等が関連）が増大してきた。この一因として挙げられたのは、石油化学工業より製造される種々の製品（化学物質を原料）が居住環境に進出したためと思われる。