ピコ秒赤外ポンププローブ法を用いたゼオライト表面吸着分子のダイナミクス

摘要

フェリエライトにtrans-2-ブテンを吸着させ，ピコ秒赤外パルスレーザーによりその水素結合性酸性水酸基を励起したら，π-吸着の減少が観測された。 詳しく検討を行った結果，この減少は吸着状態の変化や，脱離に由来するのではなく，ゼオライトの酸性水酸基とtrans-2-ブテンの反応が進行したと考えるのが妥当であると結論された。 また，CH伸縮振動領域の赤外吸収を観測した結果，反応中間体による新たな吸収が観測された。 計算化学的手法を用いて検討を行った結果，観測された中間体はカルベニウムイオンである可能性が高いことが分かった。