共鳴振動による強誘電体担持Ag触媒の反応選択性制御--周波数の効果

摘要

固体表面に外部から信号を与え，その触媒作用を人為的にコントロールすることを目的として，強訴電体結晶への高周波電力印加により発生する共鳴振動現象を用いた。 本研究では第1,2および3共鳴振動周波数である3.5，10.8および17.9MHzを用い，エタノール分解反応に対するAg触媒の反応選択性に及ばす周波数の効果について検討した。 共鳴振動は,いずれの周波数においても，アセトアルデヒド生成にはほとhど変化を与えず,エテレン生成のみを増加させたが,その活性化効果は共鳴振動の周波数により顕著な違いを示した。 格子変位測定および光電子放出挙動から，共鳴振動の周波数が触媒表面物性および反応選択性に及ぼす機構について考察した。