カーボンナノチューブのバンド間発光

摘要

カーボンナノチューブ（CNT）は，バルク材料でありながら分子性をも併せもつという希有な物質であることから，次世代ナノテクノロジーの基幹物質として期待されている．これまで，非常に強くてしなやかな機械的性質を利用した分子間力顕微鏡（AFM）用探針などへの応用や，ナノスケールの真性半導体としてのナノエレクトロニクスへの応用などが考案され，実を結びつつある．最近それらCNTの性質にまた一つ魅力的なものが加わった．2002年に発見された単層カーボンナノチューブ（SWNT）のバンド間発光である．