塗膜中の光輝材状態評価手法の確立と意匠評価への応用

摘要

コーティング材料である塗料の役割は保護、美観、特別な機能の付与の3つである。近年見た目の美しさの追求やカラーバリエーションの増加に伴って、アルミニウムやマイカフレークといった光輝材顔料が多用され、これらの使いこなしと高度な意匠評価尺度の標準化が塗料メーカーに求められている。光輝材は光の反射特性により観察方向によって色が変化するフリップフロップ性や金属粒子感等のテクスチャーを発現させる。光輝材塗色の意匠は目視による官能評価と併せて、分光光度計や色差計による変角測色で表現する場合が多いが、高意匠の提案·要求に対応できる塗料設計を行うには塗膜中の光輝材の存在状態を正確に把握し、意匠と光輝材の存在状態との関係性を明確にすることが重要である。本報では、塗膜中の光輝材の存在状態を配向角および被覆長さから解析する手法を確立し、意匠評価との関係性を検討した。