緊急時における一般電話通話時間制限と回線閾値制御に関する検討

摘要

緊急時における輻輳対策として，回線交換機の一部を優先電話のために留保する閾値制御が存在し，優先電話を必要数確保しつつ，一般電話をなるべく多く収容可能となる適切な閾値設定が望ましいが，更なる一般電話の収容数増大には，一般電話の適切な通話時間制限が有効であると考える．そこで本研究では，回線留保制御下での一般電話通話時間制限に関する基礎検討として，M_1M_2/MD/s/s待ち行列システムとして交換機をモデル化し，様々なトラヒック条件における，優先·一般両電話の呼損率を計算機シミュレーションにより導出し，一般電話の通話時間制限による呼損率減少効果を定量的に示す．また，優先·一般両電話の到着比ごとの呼損率の比較により，トラヒック条件に対する一般電話通話時間制限の有効性について示す．さらに，回線交換機に収容される呼量や回線数と，提案方式による呼損率減少効果の関係について考察を行う．