視覚障害者のQOLを向上させるための支援技術の開発が望まれている.我々は視覚障害者と晴眼者が対等に遊戯できるテーブルゲームに着目し,視覚を必要とせず音声のみでプレイできるゲーム開発を行ってきた.本稿では,居合い切りを題材とした音声出力ゲーム「The 10-1(ザトウイチ)」を用いて,視覚障害者1名と晴眼者12名を3~4名ずつのグループに分けてプレイしてもらい,Csikszentmihalyiによって提案されたFlow State Scaleを用いてゲームへの没入感を評価した.その結果,自己目的的体験に関しては全てのプレイヤが“あてはまる”を選hだ.因子分析からは6つの因子が抽出された.そのうちの主な2つの因子は“活動への注意集中”と“統制感覚”であり,視覚障害者の因子得点は晴眼者のそれに比べて大きな値を示した.よって,視覚障害者の方が音声出力ゲームを楽しhでいた可能性が示唆された.
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