光学部品金型の超精密加工技術

摘要

これまで超精密加工／計測技術は光学デバイスの発展と共に発展してきた．図1に示すようにデジタルカメラ，カメラ機能付き携帯電話，DVDピックアップ，光通信用デバイス，医療用内視鏡カメラ，ソーラ発電集光用フレネルレンズ，車載用赤外レンズなど自動車用のカメラなど，家電製品から医療部品まで多岐にわたる．しかし近年は，デジタルカメラ，スマートフォン，CD/DVDなどの球面／非球面レンズなど需要が爆発的に拡大したものの，超精密加工技術／計測技術の一般化により，製造が海外にシフトし，国内の生産が減少し続けている．一方，複雑非球面形状や微細な形状のレンズ金型など，サイズ，精度，プロセス上の加工難易度の高いもの，車載用や医療用の安全／安心が要求されるもの，またコストの高いものについては国内でも製造されている．本稿では，光学部品金型に求められる形状，精度などの最新動向と，それらに求められる超精密加工測技術について総論を述べる．