可聴域をこえる超高周波の生理·心理·行動的効果: ハイパーソニック·エフェクトを中心に

摘要

良く知られているように，人間に音として聞こえる周波数の上限は20kHzをこえない。近年，この可聴域上限を大幅にこえる超高周波が，生理·心理·行動に及ぶ多様な効果を人間にもたらすことが明らかにされつつある。その発見の発端はオーディオ領域にあり，ハイレゾリューション·オーディオの普及を先導した。さらに，医学領域でも超高周波を用いた新しい治療法が開発され，実用化されつつめる。本稿では，そうした超高周波が人間に及ぼす多岐に亘る効果について，ハイパーソニック·エフェクトを中心に解説する。