産業用冷熱プラントの歴史と現状：食品関連冷却技術－農産物産地予冷施設

摘要

農産物の産地予冷施設の果たす機能としては，①生産地で集荷，②選果·選別による規格·等級の統一，③流通のための包装，④鮮度保持のための低温化，⑤広域流通のための低温保管および分荷，⑥精算および情報管理，⑦卸売市場および消費地への低温出荷，などの機能を併せ持つ必要がある．それらの機能を併せ持つ施設を青果物集出荷（選果·予冷·貯蔵）施設と称している．生産地において低温処理により鮮度保持された生鮮物の品質劣化を防ぐためには，低温輸送や卸売市場および消費地での低温流通施設との一元管理を図ることが重要である．このような体系を整備するために，生産者，科学技術庁や農林水産省を始めとする行政機関，試験場や大学などの研究機関，全農·経済連や農協などの農業団体および卸売市場や消費地などの流通団体などが協力し，技術やシステムの開発が進められた．また，施設導入する農協の事業化を進めるために，農林水産省を中心とする国庫補助事業の整備が実施された．このような背景を基に，現在は全国的に整備がなされ，生鮮物のほとhどが予冷出荷されている．