産業用冷熱プラントの歴史と現状：食品関連冷却技術－製氷プラントの紹介

摘要

国内での製氷装置は業務用としては小型化の傾向が進み，小規模な店舗などに対して需要が増しているが，流通業界など大量に氷を必要としているところでは，製氷会社の大型製氷プラント装置により生産し供給を行っている．製氷方法についての例としては，プレート熱交換器とブラインポンプおよび撹拌機の組合せによるブライン循環型製氷装置，ヘリングボーンコイルと撹拌機の組み合わせによるブライン直接冷却製氷装置が挙げられるが，結氷効率を図るために循環温度差を1～2°Cに設定し循環流量が大きくなるため，前者の場合ブラインポンプ動力の増大により，システム全体のCOPが後者に比べ小さくなる傾向にある．また，負荷への追従性は後者のほうが優れている．本稿では，新しい製氷システムとして一次冷媒にNH{sub}3を使用し，ヘリングボーンコイル内に二次冷媒であるCO{sub}2を液ポンプにより供給したブライン（三次冷媒）冷却製氷装置を紹介する．