多様な飲料製造に対応する無菌紙容器システムについて

摘要

大日本印刷は，1972年に食品向けの無菌包装の技術開発に着手した。ミルクポーション用の無菌成形充填機を皮切りに，さまざまな種類の無菌包装容器，無菌包装システムの開発に取り組hできた。そうした中，1994年に市場に投入したPET ボトルの無菌包装システムは，時代の変化や得意先のニーズに合わせて改善改良を加え，現在までに国内外で120台以上を納入してきた。昨年から弊社はスイスの飲料容器メーカーSIG Combibloc社（以下，SIG社）と販社を立ち上げ，本格的な協業を開始。同社の無菌紙容器システム「SIG Combibloc System」（図1）は，世界では十分な実績を誇る紙容器向けの無菌充填システムでありながら，日本市場には参入できていなかった。その理由は，充填システムと包材を提供するビジネスでは，導入した設備のメンテナンスや日常のサービスは生命線であり，日本市場は海外市場と比較すると，特に，独特でシビアな要望が求められる傾向が顕著であるからだと考えられる。