食品安全委員会によるかび毒のリスク評価の動向

摘要

日本では，BSEの発生などを契機として食品安全基本法が制定され，これに基づいて食品の安全性を確保するためのさまざまな行政措置がとられている。食品安全基本法にもリスク分析の考え方が導入され，リスク管理を担当する厚生労働省，農林水産省，環境省，消費者庁などの行政部局と，リスク評価を担当する内閣府食品安全委員会がそれぞれ独立して業務を進めるとともに，相互に連携しながら，食品の安全性を確保するための取り組みを行っている。本稿では，食品安全委員会の組織やリスク評価の流れについて紹介するとともに，食品を汚染するかび毒（マイコトキシン）のリスク評価の現状ついて概説する。