水圧用容積式圧力変換装置の開発と用

摘要

水圧用容積式圧力変換装置（以下、ACA: Active Charge Accumulator）は、水道水を作動流体として、ひとつの圧力源から複数の異なる圧力へ圧力調整弁を用いずに増圧·減圧することが可能なシステムである。ACAのアプリケーションとして、搬送や把持等を主体とする基本の回路圧力が5MPa程度のシステムの中で例えば食肉加工におけるプレス、切断等の特殊機能の駆動に10MPa程度を要するシステムを想定している。本稿では、特にACAを用いた増圧過程に着目した基本特性の実験と解析による比較検証、及び実際の産業機械への応用を想定してACAでシリンダを動作させる実験を行った結果を紹介する。更に、基本特性での実験と解析の結果から数式モデルの妥当性を示した。また、ACAから増圧力を供給しながら、シリンダの伸縮の制御が可能であることを示した。加えて、実験と解析結果の比較から、増圧過程とシリンダ動作を制御する切換弁の開閉タイミングがシリンダの伸縮回数に影響を及ぼすことを明らかにした。