バイオマス燃焼発電用内部循環流動床ボイラ

摘要

バーク（樹皮）、おが屑などのバイオマスを主燃料とした内部循環流動床ボイラによるバイオマス発電所を神之池バイオエネルギー㈱殿向けに建設した。当社が開発した内部循環流動床ボイラは、燃焼のための燃焼室と層内伝熱管の配置された熱回収室の2室構造とすることで、従来型のバブリング式流動層ボイラの課題である、①燃焼室に層内伝熱管があることによる層内伝熱管の磨耗、②負荷変動制御を解決した。更に熱回収室では、基本的に燃焼が行われないため腐食も抑制される。これらの特長を活かして、1990年代には主に産業廃棄物焚き、タイヤ焚きボイラとして利用されてきたが、21世紀になると京都議定書に基づく温室効果ガス削減目標の達成と原油価格の高騰により、木質バイオマス焚きのニーズが高まってきた。本装置は、上記の特長を活かしつつ、木質バイオマス用に低空気比（高効率）·低コストを実現した装置である。バイオマスを主燃料とする燃焼発電設備として現在までに5施設に納入しており、エネルギーコストの削減と化石燃料に由来する二酸化炭素の削減により、地球温暖化防止に貢献するものである。図1にプロセスフローを示す。