3.11以降の日本のエネルギー動向と電力需要（8）－バイオマス·地熱·中小水力発電の現状と今後の課題 その2

摘要

バイオマスエネルギーの変換技術は，物理的変換，熱化学的変換，生物化学的変換に大分類することができる．利用の歴史が最も古いのは物理的変換であり，図6で示すような未利用木材（間伐材由来木質チップなど），一般木材〔木質ペレット，パーム椰子殻（PKS）など〕，一般廃棄物（木質以外の一般廃棄物，下水汚泥固化，可燃ゴミを破砕·成形·乾燥したRDFなど），リサイクル木材（建設資材廃棄物など）の固体燃料を直接にボイラ内で燃焼させる方式である．間伐材由来の木質チップは，発熱量が低く，含水量により燃焼状態が影響を受けやすいなど，使用が難しい面はあるが，FITによる買取価格は高く設定され，地域との瑳携による地産地消の仕組みづくりを推奨している．一般木材は，海外輸入が主体で大規模発電プラントに使用されており，木質ペレット（北欧，ロシア産など）やPKS（マレーシア，インドネシア産など）の発熱量は高めであるが，燃料には塩素分が含まれることがある．一般廃棄物（RDP）や建設資材廃棄物は，発熱量が石炭の1／2程度と低く，FITによる買取価格も低いが，いずれも燃料に含まれる塩素分がボイラの腐食原因となるために注意を専する．