セキュアかつ低コストなキャンパスローミングを実現するための代理認証システム

摘要

近年、無線LANの普及に伴い、訪問先機関においてネットワークアクセスを可能とする、ローミングに対する需要が高まっている。我々は、国際的なキャンパスローミングシステムであるeduroamの運用を行っている。しかし、本システムを1200以上の大学および研究機関が存在する日本で展開する場合、国内ローミングの中心となるセンターの負荷や、各機関における導入·管理の手間が大きいことが問題である。さらに、システムのセキュリティや、ユーザのロケーションプライバシーについても課題がある。そこで、本稿では、これらの課題を解決するため、ユーザのロケーションプライバシーを守りつつ、ユーザ管理が容易なPseudonymous IDを用いた集中型の認証システムの提案および、構築した実験システムについて報告する。