極小パケット多段集約方式における集約待機時間調整手法の検討

摘要

スマートフォンやセンサデバイスの普及により，極小サイズのパケットが増大することが予想される.膨大な数の極小パケットがネットワークへ流入することにより，コア網の中継ルータにおいて，パケット処理能力の限界による性能劣化が生じる可能性がある.その対処法の一つとして，コア網の入り口のエッジルータにおいて複数のパケットを集約し，コア網へ流入するパケット数を削減する手法が考えられる.しかし，大規模なツリー型ネットワークでは，エッジルータへの流入トラヒックが少ない時でも，複数のエッジルータから流入したトラヒックが中継ルータに集中し，パケット処理能力を超過する数のパケットが流入する場合がある.このように，エッジルータにおけるパケット集約のみでは，コア網内の中継ルータに流入するパケット数を十分に削減することは困難である.そこで，本研究では，エッジルータだけでなくエッジに近い中継ルータでもパケット集約処理を行なうことで，ネットワーク内部の転送パケット数を削減する手法を検討する.しかし，エッジルータと中継ルータの両方においてパケット集約時に待機時間が発生するため，データの品質要求を満足できなくなる可能性がある.そのため，中継ルータにおける流入トラヒックを考慮した集約待機時間調整手法を導入することで，アプリケーションの品質要求を満たしつつ，コア網内における流通パケット数の削減を実現する.