学生個々の授業参加意識の遷移タイプを用いた学習者特性の把握

摘要

多くの大学でFD活動など教育に力を注ぐ中，大学授業の研究の必要性が高まっている．大学授業の研究はこれまでも多くされてきたが，それは教授活動に着目して，教育効果の向上を目指すものが多かった．しかし，多様な学生が入学している中では，受講学生の状態に着目することで，いわゆる学習者の特性を把握することが重要となってきている．われわれは，学習者特性の中でも，授業における学生のやる気や理解度などの主観値情報を調査している．調査方法は，毎回の授業の開始時と終了時に学生に記入してもらう「やる気満足度の自己評価シート」や「気分期待シート」を用いている．得られたデータから学生個人ごとに授業の開始時から終了時へと学習者の授業参加意識などの主観値情報がどのように変化したかに着目し，その変化についてタイプ分けを行った．今回，4大学8科目から得られた結果を報告する．