育てる喜び、食べる楽しみ

摘要

畑仕事をすると2つのよいことがあなたを待っている。野菜を栽培する喜び、そして、野菜を食べる楽しみ。生産の喜びと消費の楽しみだ。他の生き物(生物学的には他種)を育てることができるのは人間だけである。犬は犬以外の種(例えば猫)を育てない。猫も犬を育てない。人類が、猿から人間になったのは、狩りが中心だった森の生活から、草原で食べ物を育てるようにもなつた時。狩りから稲作へ(緦文から弥生へ)、人は何かを育むことを体験することで、猿から人間になる。人間は生物界の中で、唯一、他種を育むことのできる存在だ。だから、育む喜びは、人間のもつ最大の喜びだ。人間は人間を育てる。子育てが終わり、子どもが独立すると、寂しくなつて、ペットを育てたり、庭で花木を育てたり、畑で野菜を育てたりする。