いまインジウムが面白い-札幌市の豊羽鉱山

摘要

最近の世界的な景気回復によって，これまで下り続けていた原材料価格が回復に向かい，メタルを供給する鉱業界にも明るさが戻ってきている。これに伴いオーストラリア，カナダなどの資源国通貨は米ドルに対して日々切り上げている。 我が国の政策は鉱物資源自主開発を断念した形に近いから，この恩恵を授かる企業は少ないが，例外として北海道豊羽鉱山のインジウム（In）がある。 近年開発されたこの鉱山の南東部では，インジウムに富む高品位亜鉛鉱脈が産出する（成井·矢島，1994）。 インジウムは昨今需要が急速に伸びて（第1図），いま話題の鉱物資源である。