タイのエビ養殖場跡で何が起こっているか？

摘要

タイ，プーケット島の北のパンガ湾には大マングロサブ林が広がる．ここは国立公園に指定され，自然が守られている（口絵1）．一方，チャオプラヤ川が流出するバンコク南方のタイ湾頭の海岸は，かって大マングローブ林が形成されていたが，現在はわずかなマングローブを残すだけで，不毛の地となっている（口絵2）．一体この地に何がおこったのであろうか．著者らはこの地で，人工衛星画像解析を行い最近の20年間の海岸環境変動を抽出する研究を行ってきた．さらに2001年10月にヘリコプターによる調査を行った．ここでは現在までに得られた成果を報告し，現在タイのエビ養殖場跡で何が起こっているかについて述べたい．