中国におけるファッションビジネス教育第4回―上海東華大学院における実験講座を中心にして―

摘要

前回は、上海東華大学院での講義の第1弾「日本のファッション業界が確立してきたマーチャングイジンク（MD）システム」を紹介した。 しかし、上海市場では、日本型SPAもさることながら、欧州型の「ファーストファッション」が注目を浴びていた。 そこで、講義の第2弾では「ファーストファッション」を取り上げた。 今回は、この「ファーストファッション」のビジネスモデルについての講義内容を紹介する。 日本型SPAといっても、このビジネスモデルの概念化は、どちらかといえば、繊研新聞などの業界誌記者の取材分析に依存しており、日本の学者はほとhどノータッチであった。 それに対して欧州系の「ファーストファッション」については、その体系化に英国の学者らが真剣に取り組hでいる。 ただ、欧州系の「ファーストファッション」企業でも、消費者行動の分析にはあまり投資していないという批判も出ている。 一方、日本では、ファッション消費者行動の分析の一つとして「テイスト（感性）·セグメンテーション戦略」の体系化を図りつつある。今回は最後にこの点を少し補足した。